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極めて甘い愛〜若頭を拾ったら溺愛されて困ってます〜
極めて甘い愛〜若頭を拾ったら溺愛されて困ってます〜
مؤلف: 玄糸雨楽

突然の再会は雨の中だった 1

مؤلف: 玄糸雨楽
last update تاريخ النشر: 2025-05-06 18:10:11

ーー桜みたいな儚い非日常が、私の退屈な日々にはらはらとおちてくる。それは狂いはじめる運命の螺旋かーー

4月上旬だというのに、外はなんて肌寒いのだろう。

今朝に見た天気予報で今日は1日中雨で冷えると言っていたから、服装はどうしようかと迷った。

自宅から少し離れたスーパーに出かけるだけなのに、なんでおしゃれをするのか。だって身なりから明るくいかないと、なんだか気分が乗らない。休みの時くらいは私服で自分らしさを出していかないとね。

 

結局、色味は季節を意識しつつも肌寒い温度感に合わせた。少しあったかめの、それでも春らしい淡い白のプルオーバーパーカーに決めた。

ボトムスは雨粒みたいな白いドット模様が可愛い、ブラックのロングスカート。

部屋にある全身鏡で見てみれば、我ながらセンスいいなと得意げになって笑みが零れた。

今日は土曜で週末セールをやってたし少し安くなるから、ちょうどよかった。

買ったものは歯磨き粉とティッシュ。

特に変わったものではなくただの日用品。 

私は必要なものが少しでも足りなくなると不安になる。無くなってからじゃ駄目。

安心感も一緒に買ってるような感じだ。 

少しでも気が楽になればいいと思いつつも、いつも『何か』足りない。

その足りないはどうしたら完全に満たされるのかは、分からない。

でも不足しないように私にはどうしても予備が要る。完全じゃなくてもいい。無いより少しでもあれば、マシな気持ちにはなれるから。

レシートだって捨てずにとっておくくらいだし。

良くも悪くも石橋を叩いて渡る性格だから、ストックが少なくなってるのに気づいて買いに行ったわけで。

今は帰るところ。

私は透明なビニール傘をさして歩いていた。

自宅にはまだちょっと時間がかかる。小学校の通学路でもある幅のきいた道を通り、途中歩きながらふと見上げた。満開に咲いてから少し経った桜。桜の木は雨風にあおられたのか、まるで桃色のため息をはいた後みたいに花を散らしていた。枝からは少しばかり緑がちらついてた。

ついこないだまで咲き誇っていたはずのに、たやすく散ってしまうのがあまりにも綺麗で、ひたすらに切なさがこみ上げてきた。

家の近くのこの学校は母校ではないけど、それでも小学生の頃をぼんやりと思い出す。

いい思い出ばかりではなかった。

でもまあそれなりに楽しかったかも。

⋯⋯あの出来事さえ、なければ。

ーー昔の記憶が蘇る。まるでマグカップの底に溜まった溶けきらないコーヒーみたいな、苦い痛みを伴って。もう2度と味わいたくなかったのに。

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  • 極めて甘い愛〜若頭を拾ったら溺愛されて困ってます〜   突然の再会は雨の中だった 2

    ばしゃんと微かに音がした。水たまりを踏んでしまっていた。お気に入りの白いスニーカーが汚れないよう気をつけていたはずなのに。ああ、もう!昔なんか思い出すから⋯⋯踏んだ水たまりを見ようと少し後ろに下がってふと目線を落とした。散った桜がゆるりと浮かんでいる。季節ってゆっくり動いてるようにみえて、早足で過ぎていくものなのかな。水溜まりの桜を見つめて思った。 ·····なんだか気分が落ち込んできた。雨は嫌だな。 はあ、と長い息をもらしてしまう。そのあとに大きく息を吸うと、なんともいえない空気を鼻に感じた。濡れたアスファルトの湿っぽい臭いと、春の芽吹きが感じられる青々とした香りが混じって

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